2005年4月9日〜24日
静岡県 要約筆記サークル「OHPみしま」の活動の様子

4月9日に三島市民会館の大ホールで行われた講演会、前地震予知連絡会会長・東大名誉教授の茂木清夫さんの「想定『東海地震』と浜岡原発について」の字幕の様子です。
映画上映に使うスクリーン上に、講師の資料表示画面とPC要約の字幕を映しています。
資料画面とのバランスを考えて黒地に白文字表示にしたとのことです。
資料画面と字幕を同じスクリーンに投影できたため、視線を大きく動かす必要が無く、聴覚障害者ばかりではなく、健聴者からも難しい話が分かり易かったと好評だったとのことです。
 
入力席は、舞台の袖に設置されています。毎年、このような講演会の情報保障を同じ会場で行っているため、ホールの担当者も慣れていて、プロジェクターの設置や入力テーブルの明かり確保などスムーズに進むとのことです。
講演が始まると舞台上は暗くなり、テーブル上の手もと明かりだけとなります。また、エアコンが入るととっても寒く苦労するとのことです。
(公演中は撮影禁止のため、写真は準備中のものです。)
 
これは練習会の時の写真です。
難しい内容の講演会の情報保障の依頼があり、それに備えて「確認修正パレット」を使った連携入力の練習をしたそうです。
「確認修正パレット」を使う場合、「OHPみしま」では、班構成を次のようにしているそうです。
<リアルタイム入力班(4名)>
入力者は、誤字脱字は修正担当に任せます。ペアを組んだ人が打ち遅れていても、速い人がどんどん文章を入力して送れるので、通常の2人入力より速くて集中できると言うことです。
<確認修正パレット班(2名)>
1名は誤字脱字修正担当。1名は文章組み立て表示担当。

この写真は、誤字脱字修正担当が入力者AとBの重なった言葉を削除しています。
 
この写真では、誤字脱字修正担当が「浜松偉大」という誤字を「浜松医大」と直しています。
 
組み立て表示担当が文章を組み立て表示に流しているところです。
組み立て表示担当は、リアルタイム入力者と同様、講演の内容をしっかり聞き、分かり易い、意味の通る文章に組み立てることが必要です。
 
これは、4月24日(日)に三島市民活動センターで行った字幕付映画「東京原発」の様子です。
字幕の「女性秘書」という話者の表示に、ルビの機能を使って小さく表示するという工夫をしています。
 
この上映は、ふつうの会議室の白い壁を使っています。昼からの上映にもかかわらず、窓に暗幕が無いため、モバイルスクリーン3本を机の上に乗せて窓際に立てて外からの光を防いでいます。(写真右側が明るいのは、漏れて来る外の光です。)
設備が整った市民文化会館で上映した時のような迫力はなくても、「大変なんだねー」とか「映画の面白さが伝わってきたよ」などと、聴覚障害者ばかりか、健聴者からも好評だったそうです。

「大変だけど、これからも字幕映画の活動も続けたいな・・」と思ったとのことです。
 
画像と説明は、「OHPみしま」の菅尾さんから提供していただきました。